コラムvol.2

コラムvol.2

動物シルエット.png高度化・長期化する現代動物医療の悩みを補う自然療法の役割

動物医療の細分化、高度化に伴い、今までの検査ではわからなかった病気の詳しい様子が確認できるようになり、新しい治療法が日進月歩で動物達にも普及されてきています。

獣医大学病院をはじめ、人間並みの高度治療を動物にも行える獣医高度医療施設が、主要都市に開院されるようにもなりました。

一般診療を行っている獣医師も、難治性の動物達をそのような専門病院へ紹介するケースが増えてきています。

心臓の手術が成功すれば、あと数年は元気に暮らすことが出来る。門脈シャント(肝臓の先天的血流障害)を外科的に処置することが出来れば元気な肝臓に戻してあげることが出来る。など、飼い主様の期待の大きい治療が動物の医療でも可能となっています。

しかし一方では、高額な医療費のハードル、心身に被る動物達の不安やストレスを考慮して、高度医療を躊躇されてしまう事も多くのケースで直面することになりました。

又、高度医療を受けさせたにもかかわらず、思うような結果が得られずに、かえって苦しい状況を長引かせてしまうこともあるかも知れません。

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さらには、高度医療にかかわらず、手厚い手術や治療を受けた後に継続治療が必要になり、通院にかかる費用の負担の問題や、経過のフォローが十分納得できるものであるか否かで、治療の満足度に大きな差が出てくるのではないでしょうか?

それらの事を考えると、これからの一般診療の動物病院のニーズとして、適切な診断や治療は然ることながら、動物達と飼い主様の双方にとって、長い期間を通しての満足度の高い治療およびケアが求められていると思います。

すなわち、高度医療を受けない選択をしたケースでの十分な対応や、処置や投薬などによる治療が終了してからの再発予防を含む、長期治療のフォローが求められていると思います。

それらのフォローは動物達の心身に負担の少ないものでなければなりませんし、費用面も含めて長期にわたり続けていけるもの、家庭で取り入れることが出来ることも大切です。

食事、サプリメント、マッサージ、温熱療法、ホメオパシー波動刺激、オゾンや水素による抗酸化療法、etc.

これら自然療法の出番になります。

黄色い花のイラスト.jpg自然療法を取り入れている動物達の自宅お看取り率は、当院でのデータでも9割以上の数に上っています。

この十数年に渡る体験から、適切なケアをすることで、穏やかな旅立ちを自宅で家族により見送るということは、心配するに及ばずに十分可能なことであると思っています。

そこには、旅立ちまで耐え難い苦痛なく、自然な形で衰弱していく事を受け止めるためのアドバイスや、家族や一人では抱えきれない不安や感情に寄りそう専門家がいてもいいと思います。

無事旅立った後で、私たちの愛を育ててくれたそのコに、ご家族様が感謝の祝福を上げることが出来れば、辛いペットロスも存在しない事でしょう。

自然療法の役割は動物への治療だけにとどまらずに、折れそうになっている飼い主様の心にも回復の道を提供できる事ではないかと思います。

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チロとサクラのクリニック 
獣医師 渡辺 由香
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